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このブログはビーキョウの日常をたんたんと語ったものです。 過度な期待はしないで下さい。
2024 . 11
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  • 映画、『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』を
    連続で観てきました!
    私は僕愛→君愛の順番です。
    ※小説も買っているため小説はそのうち君愛→僕愛で
     読もうかと思います。



    【ストーリー】
    ■僕愛
    (1) 両親の離婚(分岐#1)
    両親の離婚により
    「母親についていく」「父親についていく」の大きな分岐
    ここで僕愛(母側)、君愛(父側)で
    大きく物語りが分かれていく。
    僕愛では母親を選択(主人公:高橋暦)

    (2) おじいちゃんの死(パラレルシフト#1)
    祖父(母親側)が亡くなります。
    そこでパラレルシフトをして祖父の生きている平行世界(君愛世界)に
    プチ移動をして再会してから戻ってくる。
    目覚めた平行世界では虚質科学研究所のカプセル内で
    黒髪ロングの美少女がいて謎が深まる・・・。
    後に君愛ヒロインの「佐藤栞」と判明する。

    (3) 和音との出会い
    高校で瀧川和音と出会い、いきなり彼女だった発言から
    IP端末で85ずれた世界からきたという(自称だったわけだが)
    実は和音が一方的に高橋暦をライバル視して
    イタズラを仕掛けたという流れ。

    (4) 和音との結婚(パラレルシフト#2)
    大学で付き合って、同じ虚質科学研究所に就職して
    そしてプロポーズをして結婚して子供もできてと
    幸せな人生を歩んでいる。
    (君愛を見た後だとわかるのだが、プロポーズのとき
    一瞬タイムシフトが起きており、アクアマリンの指輪を
    あげた相手は君愛世界の和音だったようだ)

    (5) 平行世界の和音(分岐#2)
    そんなあるとき、イベントに家族3人で来ていたときに
    刃物を振り回す男に襲われる。
    暦のタックルにより3人とも無事だった。
    がここで大きな一つの分岐。

    その後、和音が息子にべったりで
    精神的に参っているような描写かと思いきや、
    平行世界の上記の事件で息子を亡くした世界の
    和音の虚質がパラレルシフトしていた。
    正確にはオプショナルシフト(任意の平行世界移動)

    僕愛世界の暦/息子に諭され、
    平行世界の和音は自分の世界に帰る。

    (6) 老後とエンディング
    息子も結婚し、孫もできて
    すっかりおじいちゃんおばあちゃんになった
    暦と和音。

    暦のスケジュールに知らない予定が登録されている
    「8/17 10:00 昭和通りの交差点」
    気になる暦は実際に行ってみる。
    そこには黒髪ロングの少女が交差点の
    横断歩道の途中にいて声をかける。

    少女の手を取ると
    少女は消えシフト値を示す
    IP端末がERRORとなる。

    その後、薬を落として苦しそうにする暦に
    親切なお婆さんが助けてくれる。
    暦はお婆さんに感謝をしつつ会話の中で
    「幸せですか」の問いに「幸せだと」言ってくれた。
    最後は「名前を名乗るほどのものではありませんから」
    と親切なお婆さんは言ってその場を後にした。

    ※1 ERRORとなったのは君愛世界の暦が
    タイムシフトによって僕愛世界の暦の
    虚質に流れ込んだため。

    ※2 スケジュールは君愛世界から
    パラレルシフトしてきた和音が
    手紙で僕愛世界の和音に託して、
    こっそりと暦が寝ている最中に設定した。

    ※3 最後の助けてくれたおばあちゃんは
    佐藤栞が僕愛世界で幸せに人生を送った姿。


    ■君愛
    (1) 両親の離婚(分岐#1)
    両親の離婚により
    「母親についていく」「父親についていく」の大きな分岐
    ここで僕愛(母側)、君愛(父側)で
    大きく物語りが分かれていく。
    君愛世界では父親を選択(主人公:日高暦)

    (2) ユノ(犬)の死と佐藤栞との出会い(パラレルシフト#1)
    犬のユノが亡くなります。
    虚質科学研究所で泣いている暦ところに
    佐藤栞が現れて、パラレルシフトのできる設備のところに
    一緒に侵入して暦にカプセルに入ってシフトを促す。
    パラレルシフトをしてユノが生きている平行世界(僕愛世界)に
    プチ移動をして再会してから戻ってくる。

    (3) 佐藤栞の虚質素子核分裂症
    佐藤栞は研究所の所長(母親)の娘であり、
    親がどちらも研究所では働いていることもあり、
    次第に仲良くなっていく。
    高校生の時、暦の父親と栞の母親が
    再婚することになった。
    兄弟になると結婚できないと思っていた
    暦と栞は逃げ出す。
    しかし逃避行もうまくはいかず
    最後の逃げ場として平行世界に行こうとする。
    研究所に侵入し、二人でカプセルに入り
    パラレルシフトを実行。
    暦は直ぐに戻ってきたが、
    栞は戻ってこない。
    それどころか肉体が脳死状態となった。
    栞はパラレルシフトした平行世界で
    交通事故に会い亡くなったのだ。
    亡くなる瞬間にパラレルシフトから
    戻るのが重なり虚質が取り残され、
    交差点の幽霊となった。

    (4) 佐藤栞の死
    幽霊となった栞をなんとか助けるために
    高校卒業後、大学には行かずに
    直ぐに虚質科学研究所に就職。
    猛勉強して研究所に就職。
    徐々に研究成果を出す暦に
    訃報が届く。
    脳死状態の栞が亡くなった。(肉体の死)


    (5) 瀧川和音との出会い
    虚質科学研究所に瀧川和音という
    新しい方が入ってきた。
    暦の共同研究者になるようだ。
    実は同じ高校のクラスメイト。
    (すっかり暦は忘れていたが)

    佐藤栞を助けるために研究費の
    横領などをしていたため暦は
    共同研究者などいらない言ったが、
    最終的に和音にすべてを話し、
    タイムシフトを実現させ栞が事故で
    死なないようにして助ける話をする。
    栞が事故に遭わない世界、不可避の事象半径外の
    世界を選択することになる。
    それは暦と栞が出合わない世界だった。(僕愛世界)
    和音もタイムシフトを研究することを条件に
    黙っておいてくれることになった。


    (6) タイムシフト理論の完成
    研究所で悩んでいる暦のところに
    和音も出勤してギネスビールを持ってきた。
    ギネスビールをグラスに注ぐと泡が
    上から下に沈む現象ギネスカスケードをきっかけに、
    暦はひらめき、タイムシフト理論を机上とはいえ完成させた。

    現状の暦と栞は昔パラレルシフトをした影響で虚質もつれになり、
    暦がシフトすれば栞も一緒にシフトする関係となっていた。
    そのため実験で暦自体が様々な平行世界にパラレルシフトしても
    必ず交差点には栞の虚質がいた。

    栞をタイムシフトさせるためには
    もつれ状態になっている暦自身を
    タイムシフトすれば一緒に栞もシフトできる。
    しかしタイムシフトはパラレルシフトとは別で、
    虚質(意識)の交換ではなく、
    溶け込む感じで同化となる。
    つまり君愛世界の暦と栞の虚質は
    過去の暦と栞に同化して現状の人格と呼べるものは
    消えるような形になるだろうとのこと。
    そして君愛世界の暦の肉体は虚質素子核分裂症と
    同じような症状となり死を迎える。
    それに和音は怒っていたが、意思が堅い暦を尊重して
    実験に協力することを誓う。

    (7)老後のタイムシフトとエンディング
    すっかり時は過ぎ、暦と和音は
    おじいちゃん、おばあちゃんになっていた。
    二人とも独身で子供いない。
    ただ共同研究者として迷惑をかけないように
    死期の近い老人になるまでタイムシフト実験を
    待っていた。
    和音の協力の元、タイムシフト実験を実施。
    暦の肉体から虚質だけが栞の虚質をつれて
    過去に戻る。
    そしてお互いが出会わない世界(僕愛世界)に
    二人は旅立つ。



    【キャラ】
    ■僕愛
    ・高橋暦
    一人称は「僕」。母親側を選択した暦。
    育ちの良さからかおとなしめの性格。
    和音と出会い老後まで幸せな世界を生きる。
    がそれは分岐の一つ。
    度重なるパラレルシフトで自信が愛している
    和音は一体誰なんだろうと思う切ない
    気持ちがあったもののすべての君を愛すると誓う。

    ・瀧川和音
    メガネっ娘のポニーテール。
    自分より成績優秀な高橋暦をライバル視していたが、
    次第に仲良くなっていった。
    ツンデレという訳ではないが、
    暦の告白に4回もノーを出しつつも
    一緒にいようとする姿が可愛らしい女性。
    老後まで暦と幸せな家庭を築いていた。

    ■君愛
    ・日高暦
    一人称は「俺」。父親側を選択した暦。
    研究所で知り合った佐藤栞と小さい頃から仲良く育つ。
    一人称から違うように父親の生活感なのか
    結構やんちゃ感がある育ち方をしている。
    愛した佐藤栞が自分のせいで幽霊になってしまったことに
    責任を感じ、昔約束した「栞が困っていたら。必ず俺が助ける」
    との約束を糧に栞を助けるために狂気とも言えるほどに、
    自分自身と人生を費やす。

    ・佐藤栞
    黒髪ロングで白いワンピースを愛用する女の子。
    虚質科学研究所の所長(母親)の娘。
    離婚した父親と再開したとき、
    「無償の愛を捧げられる人」になりなさいと言われ、
    人助けをするようになる。
    幽霊になっても笑顔を絶やさず、
    歳をとっていく暦を最後まで
    「暦くん」といっていた。

    ・瀧川和音
    こちらでも暦をライバル視していた。
    一緒にタイムシフトを研究する共同研究者とのしての
    見え方が多いが内心では愛していたとのこと。
    好きな人を他の女性の元に送り出す、
    しかも好きな人を殺してまで
    とても献身的で暦同様にある種の狂気に身を
    置いた和音だった。



    【用語】
    ■パラレルシフト
    平行世界に移動すること。
    移動は虚質のみであり意識だけ移動となる。

    ■IP端末
    自分がパラレルシフト状況を観測するための機器。
    0を元の世界として基準にして、
    数値が高いほど遠い選択肢の
    パラレルワールドにいる。

    ■タイムシフト
    世界を泡と見立て、ギネスカスケードのように
    過去に戻るためのシフト

    ■ギネスカスケード
    ・ビールの泡が下に沈んでいく現象。
    泡の浮力よりも、ビールの粘性に負けて
    泡が降りていく。

    ■不可避の事象半径
    事象引力から逃れることができない範囲。
    平行世界における運命のような存在。
    (死んだ人はどの世界でも死ぬような事象の範囲)

    ■虚質素子核分裂症
    パラレルシフトの瞬間にシフト先の体が死亡した場合、
    行き場を亡くした虚質が元の体に戻れなくなる現象。
    元の肉体は脳死状態になる。



    【感想】
    ■僕愛
    青春ものに少しのSF要素かと思ったらがっつりSF!
    全然予想していませんでしたが平行世界と
    虚質(意識)の話がメイン。
    設定が難しいがこの世界の
    基本をしっかり説明してくれる。
    和音が終始いいキャラをしていて、
    振り回される高橋暦をみていて青春感が
    溢れていましたね。
    さらにプロポーズ、結婚、子供、孫、
    老後と幸せな人生を歩んでいるのですが、
    パラレルシフトによる彼女は誰なんだろうという
    哀愁が終始まとわりつくという不思議な映画でした。
    学生時代の出会いの時点で嘘ではありましたが
    「瀧川さん」「和音」でどっちの瀧川和音なんだろうと
    疑心暗鬼が仄めかされていてそれが終盤まで残るという。

    子供が死んでしまった平行世界の和音は
    中々衝撃でしたね。急に身近な人が変わったと思うと
    恐怖もありつつも、彼女も近いしいところにいた
    和音だと思うとなんともやりきれない感じです。

    エンディングは暦が佐藤栞との待ち合わせの約束果たし、
    幸せになった佐藤栞(お婆さん)との出会いで
    一つのハッピーエンドとなった形ですね。

    ■君愛
    黒髪ロングヒロイン好きの私は
    君愛のPVをみてこの映画を観ることを決めてました。
    (ちょろい)

    動機はさておき、観ると本当にがっつりSFで
    元々SFが好きな人種だったので、
    一気にこの作品が好きになりましたね。

    僕愛→君愛で観たのですが、
    僕愛のかけていた部分が君愛で補完されて
    答え合わせをしつつも
    日高暦の栞への強い想いに圧倒されましたね。

    君愛世界は暦も和音もとてもつらそうで、
    最後まで戦い抜くという意思の元人生を送っていて
    僕愛の幸せな日常に潜む影とは違う、
    全力で影に、不条理に挑む映画で
    熱いものを感じました。
    エンターテイメント的にはこちらが
    主流になるのでしょう。

    小説という媒体において、
    読み手を楽しませるという意味では
    僕愛→君愛で、
    映画や物語としてエンターテイメントとしては
    君愛→僕愛なのだと感じました。

    佐藤栞ちゃん薄幸の美少女すぎて辛い。



    【最後に】
    私はISBNコードの登録順(発刊の順番)で
    僕愛→君愛の順番で映画を観ましたが
    僕愛時点だと謎な黒髪ロング少女。
    それが君愛をみるとしっかり理解できる。
    抜けていたパーツが埋まっていく感じ。

    多分ストーリー的には君愛→僕愛のほうが
    感動物語として筋が通るのだと思う。
    (君愛のエンディング後に僕愛側に虚質が溶け合う流れからも)

    けれど、どちらの世界の暦がメインという訳ではなく。
    僕愛は僕愛、君愛は君愛でそれぞれの人生を
    しっかりと全うしていて単純な恋愛映画というより、
    人生と選択の大切さを改めて感じ取れる映画で
    とても良かったです。


    タイトルについてですが暦の一人称が
    僕愛世界(高橋暦):「僕」
    君愛世界(日高暦):「俺」
    なので以下のようになる。
    『僕が愛したすべての君へ』
     →僕(高橋暦)が愛したすべての君(和音)へ
    『君を愛したひとりの僕へ』
     →君(和音)を愛したひとりの僕(高橋暦)へ

    君愛のタイトルは、日高暦が高橋暦に対して、
    佐藤栞を救ってほしいという願いがタイトルに
    なっていることがわかりますね。
    この切実な願いが映画見終わったあとだと
    余計に泣けますね。


    映画自体は絵も綺麗だし、
    主題歌もよくて、
    なにより内容が引き込まれるというか
    油断している置いてかれるので
    すごく楽しみながら観れました。

    この作品を作って世に出してくれた
    作者様、関係者の皆様には
    本当に感謝です。

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