高畑京一郎先生のタイムリープあしたはきのうの新装版(上・下)を
購入して読みました!
【感想】
日曜日から土曜日までの1週間のお話なのだが、
タイムリープ現象を絡めて、とても話の展開が多くて
楽しめました。
どの時系列のシーンも謎解きの点と点が繋がる感じや、
若松君の未来予想のような華麗な対策の数々が
爽快で気持ちよかった。
最後の落ちのキスシーンまで含めて、
「あぁあのシーンに繋がるのかー」
という体験を終始味わえて大変満足しました。
話の流れ的に仕方ないのですが、
翔香ちゃんが毎回階段から落ちたりと、
クッションを用意していても、
危なっかしくてハラハラしますね(笑)
これは若松君が「とても放っておけない」って
言ってしまうのも分かる。
若松君については優秀すぎて、
最後の中田先生にナイフで刺されるシーンでも、
なぜか安心感がありましたね。
若松君なら何とかしてくれるという翔香と同じ気持ちを、
読者も感じてしまいます。
唯一クロスワードに夢中になって柔道場に行くのが遅れたのだけ、
かわらしいポイントですかね。
全体を通してこの複雑な構成を、面白く且つ読みやすく書かれていて、
傑作SFと紹介されていたのもの頷ける完成度でした。
【キャラ】
■鹿島翔香
日曜日の事件をきっかけに
タイムリープ現象に陥った主人公。
基本真面目な感じではあるし、若松君の解説を聞いてある程度
理解出来ている時点で頭も普通に良さそうなのだが、
若松君がスペック高すぎて何故か馬鹿っぽく
みえてしまうのが面白い所。
そして階段から落ちすぎて可愛そう(笑)
最後のキスシーンに繋がる部分はニヤニヤしちゃうよね。
ほぼ告白です。
■若松和彦
翔香にとってのヒーロー。
タイムリープ現象で困っている翔香をリードし、
事件の終演まで導いた頭脳明晰な同級生。
タイムリープ現象のルールや仕組みの把握が本当に早く、
その仮説に準じた検証および対策の早さ、理解力がすさまじい。
ただ女の子には若干のトラウマがあったため、
最初は結構ツンケンしていた。
死ぬかもしれない中田に刺されるところまで、
自分を犠牲にしても翔香を助けたり、
責任感と筋が一本通っていて
かっこいい男子像でした。
■関鷹志
柔道部。護身術を翔香に伝授。
ナイフを持った中田先生を真っ正面から
投げ伏せる実力者。強い。
親父が警察なの含めて強い。
若松君との関係性が腐れ縁感あって、
とても良き。意味不明な依頼に対しても、
「あとで教えろよ」で色々やってくれるあたり、
信頼し合っていて微笑ましい。
なんかこの2人の関係性とてもいいよね。
最後の「たまには負けろ」の台詞が若松君に対して、
なんともベスト回答すぎて好き。
■中田先生
連続婦女暴行の犯人で、日曜日に
翔香をレイプしようといた犯人。
この事件をきっかけに未来に逃げる事を選んだ
翔香から物語が始まる。
【最後に】
購入したきっかけは、僕愛/君愛の映画を見てフォローした
作者の乙野先生のツイートで紹介されていたので、
そこで知っていたこと。
書店で見かけた時に帯の「米澤穂信」の文字が目に入ったこと。
米澤先生の「氷菓(古典部シリーズ)」が好きだったこともあり、
つい手に取ってしまいました。
マーケティング(広告)って凄い。
高畑先生のダブルキャストなども面白そうなので、
そのうち読んでみたいなと思います。
よきSFに出会えたことに感謝。
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